地域の復旧・復興のカギは人にあり!
おととい、昨日にかけて東日本の石巻市と塩窯市にお邪魔をしてきました。
両市とも昨年の東日本大震災で大きな被害をうけた自治体でした。
地域の被害状況と復旧・復興状況、今後の課題と今日的な支援体制など、震災を体験した私達とで
多少の意見交換が出来ればとの思いで、お忙しい時間を頂戴してきました。
●石巻市
芦屋市がカウンターパートナーとして支援をしているのが石巻市です。
震災直後から、多くの職員さんが現地でお手伝いをしたり、多くの民間団体さんも
支援活動をしてくださっています。現在も芦屋市から二人の職員さんが一年間家族と離れ
お手伝いをしてくださっています。
被害状況としては、震災による直接死が3070人(1.89%)、関連死179人(0.11%)、現在もなお
行方不明の方が530人となっています。
被災住家棟数も、全壊22,357棟、半壊11,021棟、一部損壊20,364棟です。
津波による浸水範囲面積は73キロ㎡ということでした。
現在は、復旧から復興へと移り変わりある時でありますが、
まちづくりとしては、「絆と協働の共鳴社会づくり」をテーマに
災害につよいまちづくり、産業・経済の再生を目指して、
多重の防御を前提に非住居地域の設定や高台移転などの計画作成が進められています。
課題としては、震災直後の住民さんの考え方と時を経ての考え方に変化が見受けられること、
それぞれの生活や経済の違いによる生活状況の違いに対応する難しさなどがあるように感じました。
被災地がれきについては、第一次の仮置き場の確保の難しさや(特に畳については火災の可能性があり、
重ねることができないとのことで広大な場所が必要ということでした。)
手作業によるゴミ分別の苦労をがれきの山を拝見し感じましたが、
同時に300トンを処理できる新しい焼却炉も視察することができました。
●塩窯市
ほとんどの被害が地震ではなく、津波によるもので、震災の直接死47名、関連死が14名の方々でした。
住宅の被害も全壊が1,017棟、大規模半壊2,240棟、半壊2,296棟、一部破損7,728棟であり
待ちの規模からいうと決して小さいものではありませんでした。
塩窯市は面積もせまく、石巻市にように高台移転など復興計画は難しいとのことで
「減災」に柱として、海抜が低い町の高さのかさ上げを中心に復興計画が進められようとしています。
この為に、がれきを利用しようと考えていますが、実際に工事が着工するまでの間の
がれき置き場がないことが大きな課題となっているようでした。
また、浦戸諸島も塩窯市に位置しており、諸島のそれぞれの被害状況に合わせた計画を
限られた職員さん達で対応する難しさもあるように感じました。
毎日の生活では、多くの事件があり、ともすれば
一年前の出来事は、遠い出来事になってしまいがいです。
今では被災地での現状についてのニュースは関西地方ではあまり見る事がなくなり、
かわりに被災地のがれきの受け入れと原発に係るものに変わってきていると思いますが、
震災を忘れず、情報を発信していくことの大切さを確認することが出来ました。
視察を終えて会派のメンバーで話をしたのですが、
どちらの市にとっても「これからが行政のふんばりどころ」であり、
これまでも頑張ってこられた職員の方々には申し訳ないのですが、あと2頑張りをお願いしたいと思います。
ただ、職員さんたちも災害の同じ被害者であり、心のケアに対しては
十分な対応が必要であるとも思います。
今回の視察を通して、大きな光であったのは、視察に対応してくださった職員さん達の
復興への熱い想いでした。もちろん、それぞれの立場での課題や不安などの発言もありましたが、
自分たちのまちを復興させたい!とぃう強い意志を感じると事ができ、
石巻市、塩窯市ともに未来があると感じることが出来たことが一番の収穫であったと思います。
遠い離れておりますが、東日本の震災を忘れることなく、
私達にできる支援をしっかりと今後も続けていきたいと思います。
関係者の方々には感謝申し上げたいと思います。