先の9月議会で、いとうまいは「夜間中学の更なる充実」を目的として一般質問をおこなっておりましたが、昨日の朝日新聞でとってもうれしい記事の掲載がありました。
夜間中学とは、その通学者として、①戦中戦後の混乱期に学校に行けなった方 ②外国からの移住者で義務教育を未終了の方 ③中学の卒業資格はあるが、実際には学校に通っていなかった方 ④現役の不登校の中学施などが、対象となっています。国の方針としては、「各地方公共団体ごとに、夜間その他特別な時間において授業を行う学校における就学の機会の提供、その他の必要な措置を講ずるものとする。」という「律の義務規定」が定められました。この通学の資格者の拡充の経緯を見ますと、いつでも学び直せる、誰でも社会に貢献できる、など多様性の社会に則したものであると、大いに評価したいと思います。
さて、現在夜間中学は全国で31校あり、兵庫県では、尼崎市1校、神戸市2校、計3校となっています。このうち、尼崎市は、夜間中学の通学資格として、「尼崎市に在住または在勤」という規定があった一方で、神戸市は「神戸市に在住」と限られたものでした。しかしながら、神戸市教育委員会は、市内に2校ある市立夜間中学の入学要件を「在住あるいは在勤」と来年度から緩和する方針となりました。更に、在勤の要件に合わなくても、教育にかかる費用の一部を入学希望者の居住地の市町が負担すれば、県全域からの入学も認める方向で検討を進めています。
芦屋市民の現状は、尼崎市の成良中学校の金城分校に通っておられますが、教室の光熱費や給食費(パンと牛乳)、手作りプリントの費用などは、尼崎市さんの温厚に頼っているしだいです。
理想としては、芦屋市内にも夜間中学を・・・となるのかもしれませんが、自治体の大きさから実質的には、一定の費用負担を行い、芦屋市民が近隣自治体の夜間中学への就学確保が妥当であるように思います。また、通学する当人に対しては「途中で心が折れてしまわない最低限な支援」として、電車賃などの通学援助も検討すべきであると思います。
昔から日本は寺小屋などの影響もあり「識字率」は高かったようであり、私はこの基礎知識、基礎教育が今日の日本の基盤になっていると思っています。「文字」を読むことが出来れば、より多くの知識を得ることができます。「知識」があるということは、より幅広い人生の選択肢が生まれると思います。
私は幸運にも、31歳の時にハワイで英語とハワイの文化を学ぶ機会を頂きました。また、40歳を過ぎて神戸大学大学院で政治学・政策について学ぶ機会を得ることが出来ました。これらの機会が、現在の仕事や私生活に大いに役立っていると思います。その人の状況によって、再チャレンジができる。就労年数が増加する中で、ニーズにあった学び直しができる。これこそが、「人を人財」とするものだと思います。
芦屋市には、夜間中学に関する相談窓口があります。
電話番号は、0797-22-0110(教育110番)まで、お気軽にご相談をお願いいたします。