昨日は参議院選挙の投票日であり、同日開票作業が行われました。
①投票率
今回の参議院選挙は、18歳から投票権が与えられた初めての国政選挙であり、各メディアで18歳とはじめとする若者層の政治に対する考え方や行動を報道し、投票が幅広く呼び掛けられていたと思います。また、私たちには直接関係はありませんが、東京都知事選挙の報道も多く、「選挙」に興味を持たれた方が多いと思っていました。一方、実際に「投票に行く」という行為は、自分の時間と労力を必要とする行動で、芦屋市の昨日のお天気は、晴天でしたが気温が高く、お昼間に外出するのが躊躇われたと思います。
結果、全国の投票率は、54.7%で、2013年の選挙時の52.61%から微増ですが伸びがありました。この2.09%の伸びをどのように判断するのかは、立場によって異なるのだと思います。今日、たまたま小耳はさんだ話では、芦屋市の18歳の有権者の投票率は80%を超える数字であったようで、ご家庭や学校での主権者教育の高さが窺えると考えます。逆に19歳の投票率はそれほどでもなく、これは、住民票を残したまま、大学進学などにより他の地域で生活している方が投票破棄したことが予測できました。この生活実態に対しては、各自治体で対応が異なったようですが、今後は国から一定のガイドラインなどが示されるものだと思います。余談としては、若者層の投票行動としては、現状維持を望む傾向があると以前に述べたことがあると思いますが、朝日新聞によると、10代の投票行動としては、やはり半数が自民党・公明党に投票したという事ですので、住民投票においても、普通選挙においても、同じ行動現象が確認することができるのかもしれません。
②女性の当選者
ご存知のとおり、日本の女性の国会議員の割合はとても低いランキングとなっています。国内情勢の影響があるものの1位は「ルワンダ」57.5%、5位はスウェーデンの43.6%、96位アメリカ19.5%、116位韓国16.3%と続き、日本は151位の11.6%です。(グローバルノート調べ)このような状況の中、今回の参議院選挙で当選した女性は28人でした。これは、前回13年よりも6人増加していて、当選者全体の占める女性の割合は23%で過去最高となりました。また、女性の候補者の当選確率は29%(男性は32%)であるので、女性の方が、参議院選挙で当選する確率は少ないようです。
私が議員を目指した最も大きな要因としては「物事の決定現場に女性がいる」ことでありましたので、今回の結果は素直にうれしく受け止めています。加えて、安倍政権も2020年までに指導的地位の女性割合を30%にする」との発言もありますので、今回の結果が景気づけになることを願いますが、その一方で、クォーター制の是非があるのも事実です。長い先のゴールでは「女性だから・・・」という区分ではなく、「この人に!」という選択が出来る環境整備が必要であると考えます。例えば、子育て施策や介護施策について、良くも悪くも、女性が決定権に参加することによってこれまで存在しなかった常識も誕生するかもしれないと考えています。
③選挙の争点
住民投票や国民投票は1つの物事に対して、賛否を示す投票をするのに対して、選挙は、多くの政策や立候補者の人柄などを総体的に判断して投票を行う為に、大変に難しい選択を行う事になります。「争点」とはある物事に対して、他者との違いを主張することによって、立候補者が有権者に「どっちを選ぶのか?」と、自らラベルを張る行動だと思います。 安倍政権の争点は前回の衆議院選挙では「この道しかない」であり、今回の参議院選挙では「この道を前に進める」をうたっており、アベノミクスの是非を全面的に問うたものであると思います。
実際に今夏の投票の際に重視した政策としては、40代・50代の有権者に限らず、60代や10代をはじめとする若者層でも、「景気・経済」であり、多くの年齢層で、社会保障や子育て支援施策よりも重要視されていることが分かります。私は、若者層のこの選択については、少し以外だと感じておりますが、言い換えると「景気・経済が良くなると、奨学金で借金を背負ったとしても、就職して苦労なく返済できる。経済が目的での共稼ぎをする必要がなくなるために、待機児童問題が減少する。お金が回れば、福祉をはじめ必要な人々にお金を再配分する余裕ができる。」という想いの現れてあるとも考えます。
経済は、本当に重要な課題でありますので、最も重要視する施策として、これを選択することには何も議論はありません。しかし、昨日の開票日から日があけて・・・「改憲勢力」という文言が多くの新聞に現れました。これは選挙期間中に一部の政党で「2/3をとらせない」という訴えと重なるものだと考えます。この「2/3」とは、憲法改正が発議できる国会議員に必要な162議席のことです。選挙前、選挙中と新聞社によって「2/3」の取り扱いには大きな隔たりがありましたが、今朝の新聞では一変しており、ほとんどの新聞社でこの「2/3・改憲・勢力・・・・」などの文字が躍っています。
よく、「選挙はお祭りだから・・・」と、言われます。
一般的に、お祭りとは「感謝の祈りや慰霊のために、神仏および先祖をまつる行為」といわれています。うまく説明できないのですが、日常の感謝の気持ちを一挙に爆発させる時を”まつり”と言えるのであれば、選挙の祭りは、日常生活の幸せの追求をお互いに訴え合い爆発させる時だと言い換えることができるのかもしれません??? もう少し上手い言い方があると思いますが、どうぞ、想像力を働かせてくださいませ。
投票は、単に「権利」ではなく、その先に「責任」が必ず発生します。その責任は、現在の日本を築いて下さった先輩に対してなのか?はたまま、未来を担う若者に対してなのか? 現在の日本の仕組みにうまく乗れなかった方に対してなのか?もしかすると、目の前の自分自身に対しての責任なのかもしれません。
責任をもって、まつりの後の・・・これからをしっかりと見つめることが大切だと考えます。