今日は兵庫県の三木市にお邪魔して、地域の方々のボランティアによる
コミュニティバスについて視察を行ってきました。
三木市は芦屋市の約10倍の市域で、お米作りや金物が有名であり、
芦屋市と背景は異なります。
けれども、日常の生活の交通手段については、同じようなありました。
芦屋市は阪急、JR、阪神の3つの電車と阪急バスが公共交通サービスを担ってくださっています。
しかしながら、電車バスいずれの公共交通サービスがない地域や、
高齢化が進む中、より充実したサービスを求める声があります。
高齢化社会に対応する為に、行政に求められる施策は今後増加すると考えますが、
大幅な税収増加が見込めない芦屋市において、どこまで行政独自の力で賄うことが
可能であるのか、一方、お元気な高齢の方の増加もあり、自助・共助・公助について
感がる事ができたよい機会でした。
三木市の自由が丘地域では、バスの名称を
①乗車する人が、みんな笑顔で乗ってくれるように!との願いを込めて
②乗った人たちから、このバスはいいよねと笑いながら喜んでくれうように!との思いも込めて
③名も知らない人同士がバスを利用して、コミュニティの輪が広がるように!との思いを入れて
「ニコニコふれあいバス」と名付けておられます。
このサービスは、行政が車両の購入、任意保険の加入、ボランティア保険の加入、
運転講習会の開催、車両の維持管理、ボランティアの実費弁償の支払い(半日1000円、1日2000円)、
事務経費等の支払い、必要物品の購入を行いますが、
地域の方々は、ボランティアの運転手と車の乗降サポート、運行管理者、車両管理者、
事故対応責任者などの選任を行い、運転日報や委託料の管理、ボランティア従事者の割り振り
などを行い、地域と行政との助け合いによって成り立っています。
三木市にも当然に公共交通サービスがあり、このサービスとの兼ね合いから
運行ルートの選定などご苦労があったようです。基本的には、地域内の移動に規制されていますが、
日常のお買いものや支払い、通院など生活に必要な移動が可能となっています。
このサービスで一番の課題が「いかに多くの方にボランティアになっていただくか」であると
感じましたが、ニコニコふれあいバスを担っている「ニコニコグループ」の方のお話によると
ボランティアの方に過度の責任やストレスを負わせない。
スケジュールが変更になった時は柔軟に対応する(でも、決してバスの運行を休まない)
自分たちも楽しんで行う。
長く運営できよう、新しいボランティアや現役を引退した後お手伝い頂けそうな
ボランティア予備員を集める、などの工夫があるとの事でした。
このバス運行のルートは地域の公民館を基点として行っていますが、
ニコニコふれあいバスが始まってから、公民館の雰囲気が明るくなったというお話が
とても印象的でした。単に、移動手段としてのサービスとしてではなく、地域の見守りや
コミュニティ力の向上に貢献されているのだと感じました。
芦屋市では、どのような工夫が可能となるのか、今後も研究を続けたいと思いました。